厄災泥棒まえがき

『虹彩泥棒』の続編となる『厄災泥棒』を公開しました。
前作は旧Twitterで行われていた元祖・100KB祭りに出したもので、『タビビト宿舎'S』に続くシナリオ2作目でした。
初めてのストーリーシナリオで、100KBだったので(少しオーバーしましたが)どれだけ余分を削るかに苦心した思い出があります。

そのときは、とある人物をいつか再登場させたいなと思って面識クーポンと、5種類のエンディングのどれに辿り着いたかの、2つのみ称号を付与しました。
この面識クーポンとエンド称号のおかげで、今作『厄災泥棒』ストーリー上に差分を出すことができました。
前回クリアされた方は、選んだ結末のその先を見て頂けると嬉しいです。

私は『賢者の選択』のようなシナリオが好きで、複数あるエンディングのひとつを見たあと容赦なく済印がついて「一度選んだ道は引き返せない」ことを実感するのが好きです。
が、ゲームプレイヤーとしてはマルチエンドは全部見たい派でもあります。
『虹彩泥棒』も悩んだ上で、済印をつければ称号(と報酬)は持ちかえれる、つけないでおくとすべてなかったことにする、という選択にしました。
今回これがちょっと、シナリオ制作の本当に最後の最後に問題になり…
ワーシストさんにはおなじみの技、デバッグで「済印を手動で消す」。これをする(またはデバッグモードでプレイする)と、ひとりに複数の称号がついたり、7人以上のキャストがいる大所帯宿の場合、メンバーの入れ替えによってパーティ内に複数エンドの称号が混在する場合が発生します。これが厄災のストーリー(冒険者たちのセリフや行動)に色々とおかしな点をもたらす問題になってしまいました。
ではどうするのか?と。デバッグでいじったものはプレイヤーさんの自己責任なので、シナリオ側が考えることじゃないと言われそうですが、『虹彩泥棒』『厄災泥棒』双方の没入感を損ないかねず、頑張ってセリフ差分までたくさん書いた自分としては無視もし難いことになってしまいました。
そこで、

『虹彩泥棒』を再プレイする場合……所持称号の全消去

を虹彩側に追加しました。これは未プレイ・済印をつけていない方に影響はありません。
済印をつけた(面識・エンド称号をつけた)パーティでの再プレイ時にリセットさせて頂く感じです。なお『虹彩泥棒』にはゴシップはありません。

『厄災泥棒』のプレイ中の場合……警告

『厄災泥棒』は初回突入時に、虹彩のエンド称号(左端キャストから順に判定)でどのルートで進行するか決定されます。エンディングに行くまではシナリオを途中で出たり、再開できますが、プレイ途中で『虹彩泥棒』に行くと最初に警告文を出す仕様にしました。
そんな人はあまりいないと思うんですが…
話し合い中もここまで親切(蛇足)にしなくてもいいのでは?とはなりましたが、『虹彩泥棒』が2年前ということもあり、厄災を始めたものの、前作をもう一度やり直したくなった(ストーリーを思い出したい、違うエンディングのルートへ行きたい)方がいたら…。
そのまま遊ぶことも、厄災の途中は一旦なしにすることも選べるようにしたので、ぜひ2作とも楽しんで頂ければありがたいです。

『厄災泥棒』自体にはストーリー分岐はなく(ちょっとしたアクションの選択はあります)『虹彩泥棒』で選んだエンディングですべて進行します。そのため、『虹彩泥棒』からの再プレイ・やり直しも視野に入れて、このような仕様を加えさせて頂きました。
これでいい、と済印をつけておいてくださった方は(本来はこちらの想定なので…)、そのままで一度プレイしてくださると嬉しいです。

ちなみにラスボス戦の背景イラストは私が描きました。かなり不気味にできたんじゃないかと思いますので、ホラー苦手な方にはすみませんしつつ、楽しかったです。

(海神)

山の女神亭

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